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源流でカモシカにバッタリと会った恐怖の体験
カヌーで森茂川流れ込みへ行こうと思いましたが風が強く、遠回りをして森茂川源流へ  2003/8/31

森茂川流れ込みへ行こうと思ったが、風が強く森茂川源流へ

森茂峠を越えて森茂川へ
峠の地蔵堂

森茂川へ車で行こうと思うのなら、高山市清見町・小鳥川方面より森茂峠を越えるしか方法がありません。
ただし、林道にはゲートがあります。
また、道路は崩落していて途中までになります。
国土地理院・1/50000の地図では、御母衣ダム湖東側湖畔に沿って、 森茂川の流れ込みあたりまで通じる道路が記載されていますが、 この道路はすでに昭和45年頃から土砂のため埋没しています。
車は通る事はできません。
自転車も難しい。
徒歩でも過酷です。
50年程前までは、集落に人が住んでいて、流れ込みあたりまで車で行けましたが、 現在は、廃村となり人は住んでいません。
このため道路は手入れがされておらず、 峠から1.5キロ下ったところで道路が滑落しており車はここまでです(地図参照)

森茂川地図

森茂峠には地蔵堂があります。 地蔵堂の中には天明年間に建立された、お地蔵様が奉られています。
今でも、人里から離れたこの地蔵堂に花が供えられています。
かって、この地域に住んでいた人が、今でも地蔵堂にお参りをしています。
森茂川流域に住んでいた人々は、昭和35年頃に道路が整備されたとともにこの地を離れてしまったそうですが、 当時の住居跡が森茂川流域に残っています。
この地では縄文時代の遺跡も発見されており、随分と古くから人が住んでいたことがうかがえます。
釣りには関係の無い話かもしれませんが「森茂川」に興味が沸いて色々調べてみました。

森茂川流れ込みを目指しカヌーを用意したが、風が強く断念。
御母衣から小鳥ダムまで行き峠を越える。

源流の名も無い川

御母衣ダム湖からカヌーを使って流れ込みへ行く計画でした。
一旦は御母衣ダム湖の東湖畔側の隋道付近まで行きましたが、 残念な事に風が強くカヌーを漕ぐには危険な状態のため、小鳥川 まで戻って峠越えしました
移動に多くの時間を費やしたために、既に時間は12時を過ぎています。
森茂峠から1.5キロほど下ると右岸へ渡る橋があります。
ここには既に車が7台ほど停めてありました。
車を降りて流れ込みへと続く道路の状況を確認すると、 道路が滑落しており車が通行出来る状況ではありません。
停めてある車はここで車を降りて、それぞれの谷へ入った釣り人のものです。
事前に調べたところでは、森茂部落跡地あたりまでは何とか車で行けそうとの情報を得ていました。
、 ここから、森茂川流れ込みまでは4キロほどの距離になります。
道路が滑落した状況で、流れ込みへ行くのには相当な時間がかかるため流れ込みはあきらめて、 ほとんど源流地帯の、細々とした川へ入る事にしました。

源流の名も無い川

地図にも名前が表示されていない名も無い沢は、とても浅く、狭く、物凄いブッシュで、とてもルアーが出来る状態ではありません。 仕方が無いのでテンカラです。
しかし、水量が少なく水深も10cmほど、こんなところに魚がいるのか?と思いつつ一振りすると 三つの黒い影が一斉に毛鉤めがけて突進してきました。
???魚がいるではないですか。それも、釣りの対象にもならないメチャメチャ小さな魚です。
5cmにも満たないと思います。
魚の正体が何であるのかは不明です。
とにかくあの黒い影が何なのか確認をしたくて沢をどんどん上る事にしました。

魚が跳ねるものの、あまりにも小さくてアワせる事ができません
源流を釣り上がる

源流の川幅は、50cm前後のとても小さなものです。
杉の森の中をチョロチョロと流れており、こんなところで釣りをしているのも不思議な光景ですが、 魚が飛び出してくるのも、また不思議なことです。
水溜りのようなところに、毛ばりをポトンと落とすと、石の下に隠れていた魚が飛び出してきます。
水深がないため、石から飛び出してきてから毛鉤に飛びつくタイミングがとても短く、アワせが上手くできません。
何度も空アワセを繰返すうちに、タイミングよく小さな魚が喰らいつきました。
一体、何の魚?とよくみれば、側線のみが赤いアマゴ?ヤマメ?でした。

源流を釣り上がる

10cmにも満たない小さな魚でした。
源流は、杉や桧の針葉樹林帯です。
広葉樹林帯では生息する昆虫の種類も豊富で落下昆虫に恵まれていますが、このような針葉樹林帯では 生息する虫も限られています
餌の少ない環境の中で、腹がすいているのか?毛鉤に猛ダッシュで飛びついてきます。
釣れなくても面白くてついつい夢中になってしまいます。
時計を見ると、源流をウロウロしてから既に2時間経過しています。
??そういえば、オカマのヒーちゃんを沢に一人残したままです。
急いで帰らねば!!。

オカマのヒーちゃんは山の中で大きな獣に遭い、死ぬほど怖い体験をする。

今日は、オカマのヒーちゃんを釣りに誘いました。
オカマのヒーちゃんは高校時代の友人ですがオネーです。
三人のお姉さんに囲まれて育ったので、言葉は昔からオネー言葉です。
趣味も、男ですが女っぽく、手芸や洋裁です。
気立ての優しいオカマのヒーちゃんとの釣りはこれで2回目です。
ワイルドな遊びを経験した事がないため、人里離れた山の中では何かしら恐怖感を覚えるそうです。
六厩川での釣りでは、山の中を往復10時間も歩き山の中での孤独感を思うほど充分に味わったようで、 「もう絶対に二度と行かない」と懲りた様子でした。
今回も誘ってみたらイヤイヤ一緒に来てくれました。
しかし、薄暗い源流はオカマのヒーちゃんには心細かったようです。
私が釣りに夢中になっている頃、あまりにも周囲の薄気味悪さに、いてもたってもいられなかったようです。
30分もすると、恐怖感のため沢の中で私を探しながらウロウロしました。
私は枝沢に入っていたのですが、オカマのヒーチャンはそんな事は知らないので本流を探し回ったようです。
しかし私を見つけることが出来ないため、オカマのヒーちゃんは道路に出て引き返そうとしました。
川から崖を登り、道路に手をかけてあと一歩で道路に出るというところで、フト顔を上げた途端、目の前で 見たことも無いがオカマのヒーちゃんをジーと見つめていて、目が合ってしまいました。
「エッ??な・・・に・・・??」
オカマのヒーちゃんの頭の中はたちまちパニック状態です。
見たことも無い獣と目が合ってしまい、頭の中は「※%’@!・・・」真っ白になりました。
突然の出来事に、おもわず卒倒しそうになり、体からみるみる血の気が失せていきました。
た・・・・ 食べ、食べ・・・・ら・・れる・・??」
オカマのヒーちゃんはそのように思いました。
頭の中はパニック状態のため、冷静な判断が出来なかったそうですが、とにかくこの恐怖から逃れようとしたそうです。
オカマのヒーちゃんは、川に降りながらソーとその場から静かに離れようとしました。
逃げたらあの獣が絶対に追いかけてくる。
ここは見なかった事にしようと、目を閉じながらソロリソロリと足を進めます。
しかし腰が抜けているために足元がままなりません。
ヨロケながら足を進めます・・。
振り向いてはいけないと思いつつも、獣が後ろをついてきていないのか気になります。
後ろを振り返りました。「××!!・・・???」
「ギャー」と大声を出して叫びたい心境です。
しかし、獣に弱みを見せてはいけないと顔も引きつり、歯を食いしばり必死です。
頭の中はパニック状態でチョウチョがヒラヒラ飛んでいたそうですが、獣は顔をオカマのヒーちゃんに向けたまま、まだジーと見つめて いたそうです。
「どうしよう食べられる・・」
その後、オカマのヒーちゃんはどのようにして、帰ったのか思い出せないそうですが、何とか元の場所に戻りました。
獣に襲われるという恐怖感をこらえながら、私を待つこと1時間半。
やっと私が帰ったときは、実に恨めしそうな顔で私を見つめていました。ちょっと涙目で・・・・・。
こうしてオカマのヒーちゃんの恐怖の体験は幕を閉じました。
「もう二度とこんなところには来ない」と言いながら・・・。

オカマのヒーちゃんが遭遇した獣の正体はカモシカ

オカマのヒーちゃんをジーっと見つめていた獣はカモシカです。
森茂川は人里から離れているためカモシカをよく見かけます。
カモシカは、突然に人を見ると緊張し体が硬直するそうです。
恐怖に怯えていたのはカモシカだったのですが、カモシカを知らないオカマのヒーチャンにはそのような事はわかりません。
また、カモシカは首を傾げて人を見つめる癖があり、初めてカモシカを見たヒーちゃんには「私を見つめる黒い角が生えた獣」に見えたようです。
ヒーちゃんが体験した恐怖感は、誰もが経験する事で、特に薄暗い源流部では恐怖感が何十倍にもなるようです。
そういう私も釣りを始めた頃はイヤという程の恐怖を味わっています。
薄暗い源流に慣れない頃は、すでにそれだけで体が緊張し神経が過敏になっています。
特に、音に対してとても敏感になっています。
川のせせらぎの音が何故か「お経」に聞こえたり
「年寄りの会話」に聞こえたり、
恐怖度メータは100%を超えてすでに針を振り切っています。
恐怖度メータが100%を超えると、あたり一帯が薄気味が悪く、足がなかなか上流へ向きません。
何かあったらいつでもここから立ち去る。
そのような腰の引けた状態で・・、
そんなところへ岩陰からヘビがニョロニョロと飛び出してきたら!
もうパニック状態です。
「ギャー」どころか「ウギャー」とか「ギャオー」とか、今まで生きてきた中で出した事も無い声を上げ、
体からは血の気が失せて、
目の瞳孔が縮まり(これが分かるのヨ)
血管が収縮し耳が聞こえなくなり(ホントよ)、
すべての毛穴が開いて鳥肌が立ち、
どこにそのような俊敏さを持っていたのかと思うほどの速さで、
岩と岩とを駆け抜けて、
向こう脛を打とうが、岩に足を滑らせてひっくり返ろうが、そんなことはお構い無しに
矢のように川から脱出するのです。
道路に出てやっと落ち着き冷静になるのですが、慌てて駆け抜けてきたため顔や手は傷だらけ、足は打撲だらけです。
冷静になってから深いため息をつきながら、釣りを止めてトボトボと帰る。
どうでしょうか?多分皆さんも同様の経験を一回や二回はされていると思います。 目の前数十センチに、カモシカのあの細長い顔があったら私も卒倒すると思います。
オカマのヒーちゃんの恐怖度メーターはどれほどだったのでしょうか?
それを考えると可笑しくて、可笑しくて。
今でも「何であのようなところで、置いてけぼりにしたの?」と会うたびに怒られます。